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唄武者HEYMAの寄せましょ

「見えるようになったけど、見えなかった人」…で、寄せましょ。

 2010年・春。ボクにとって大きな変化がおとずれた。


 まず近眼を治してしまった。レーシック手術である。
年々視力が低下。ついにはあの一番上の「C」マークが見えなくなってしまう。0,07。
ヤバい。職場近くに開院した眼科の先生が、レーシックの執刀医だったのだ。

 「品川近視クリニック」の職員割引券を発行していただく。
7万円引き。ありがたい。ま、そんな偶然も重なり手術に踏み切ったのである。
事前検査は12項目。およそ3時間に及んだ。ボクは視野に問題アリ。

 特別な検査がプラスされる。ここまできて手術不可はごめんだ。
最終段階の問診で、ようやくゴーサインが出た。その5日後、いよいよ手術となった。
整髪料、お化粧は厳禁といわれているのに、ワックスでツンツンと髪を逆立ていたバカ男。

 それと、交尾に失敗した老パンダのようなブス女もいた。オペ直前の待機室。
こいつらホントにマヌケだよ。視力の前に脳みそをなんとかしろって。
「荻野さん、これ脱いでいただけますか?」看護士さんがボクに言ってくる。

 あっ!そうか!パーカーは禁止だったんだ。仰向けの姿勢でオペは行われる。
フードの厚みが首のすわりを悪くし、固定の妨げになってしまうからだ。
なんだ、オレもツンツンとパンダと同類ではないか。控え室に戻りパーカーを脱ぐ。

 なんということだ!Tシャツ一枚の常夏姿はボクひとり。
しかもビル・ワイマンTである。いざ手術室へ。ものすごい圧力で目玉が固定。
麻酔の点眼をつけられた。まさに「時計仕掛けのオレンジ」の世界。

 オペはあっという間に終了。なぜか性格まで矯正された気分になる。
痛かったのはこの日と翌日の2日間だけ。なんと視力は左右それぞれ1.5まで回復した。
裸眼生活スタート。いまだに風呂に入る前、メガネを外す仕草をしてしまうが。

 そんなわけで、レンズやコンタクト越しではなく、“生眼”でいろんなものを見ていこう。
なかなか拝めないようなものを・・・あ、キミ今、いやらしい想像したろ?
それはそれで図星かもしれないが(笑)、全身ミステリアスな人物が来日したのだ!


 その人の名は、「ボブ・ディラン」である。9年ぶりの日本公演。
しかも、ゼップ大阪、ゼップ名古屋、ゼップ東京、すべて2000人規模のホール。
チケット料金は¥12000。安くはないが行くしかない。

 ディランフリークのジンさんにチケット確保してもらう。
3月26日。ゼップ東京。A1303番。どんより曇った金曜日。
新橋から「ゆりかもめ」に乗る。青海駅を出ると、待ち合わせたかのようにジンさんがいた。

 双眼鏡を貸してくれる。グッズ売り場へ。記念だ。Tシャツでも買ってこよう。
テントの中に飾られたグッズをチェック。こりゃ話にならん。
デザインがしみったれている。生地も粗悪品とみた。3回洗ったらテロンテロンだろう。

 仕方ない。そこに、「国内盤CDお買い上げの方にポスタープレゼント!」なる貼り紙を見る。
これにつられ、買いそびれていたアルバム『Together Through Life』を購入。
さて、ここからある種の地獄がスタート。まず整理番号の列にならんだ。

 オープンまで30分。会場へ入り、ステージ左側前方をキープ。
前から6、7列目くらいの場所。スタートまで60分。立ちっぱなしはキツい。
午後7時5分。照明が落とされ、“本物”のボブ・ディランが現れた。


 澱んだ色の後光がさしている。人間にはみえない。月の破片のようだ。
驚いたのは、コンサートたる常識的な演出が一切排除されていたこと。
まず照明。主役を追うピンスポットなし。ライトの色は白とオレンジのみ。暗いのだ。

 ディランはしゃべらない。ハロー、サンキュー、グッドナイト、曲名も言わない。
アンコールの時にメンバー紹介はしていた。たったそれだけ。
ギターを弾いたのはなんと1曲のみ。あとはキーボードを弾きながら歌うスタイル。

 17曲/2時間。毎日毎日、それ以上でも以下でもない質量。
しかし曲はガンガン変えていくのがディランの特徴である。
といっても、アルバム音源通りにはやらない。必ずアレンジを加えてあるのだ。

 粉々に。粉砕だ。出だしでわかる客はほとんどいない。
サビになって、「あ!あの曲だ!」と気づく。この日、初めて『風に吹かれて』が演奏された。
とにかくこんなアーティストは世界中さがしても、どこにも存在しないだろう。

 とにかく謎めいている。どこを見ているのか?笑っているのか?
いや、もしかしたら怒っているかもしれない。楽しんでいるようにも、退屈そうにもみえる。
ん?あんた偽者じゃないの!?ボクは120分間、ディランだけを凝視し、そして考えつづけた。

 単なるコンサートなのに。幻覚を見た気分である。午後9時終演。
外は冷たい雨が降っていた。合計3時間半、立ちっぱなしから解放だ。
動く両下肢に血が巡るのがはっきりわかった。家に到着。さっき買ったCDをかける。

 ババーン!
 ババーン!

 目玉の奥に戦慄が走った。それからボクは人生初の「知恵熱」にうなされることになったわけである。丸3日間。
歌声と音。それだけ。あの日のコンサートはそれしかなかったのだ。
だが、これってきわめて自然な状態でしょう。だってボブは歌手なのだから。

 しかし自然になればなるほど“謎めいて”みえるのはどうしてなのだろう?
それは、もしかしたらボク自身が不自然な生き物になってしまったからかもしれない。

 あんな風にナチュラルに生きていけたらいいなと思う。
いや待て。“あんな風”になるまで、どれほど苦悩の積み重ねがあったのだろうか?

 手術してすぐ手に入れられる、そんな簡単なものではなさそうだ。
今日も街に、季節外れの冷たい風が強く強く吹いていた・・。



 ジャパンツアー最終日、予定外のアンコールに応えただと!?
なんだ、ディランも人の子ではないか!!



【レーシック手術】

高精度の医療用レーザーで角膜の屈折率を矯正し、近視、遠視、乱視を治療するもの。
視力1.0以上に回復する割合は、98%。高額だった料金も年々値下がり傾向。
20万円前後で治療が受けられるようになった。オペの時間はわずか5分程度。


【ボブ・ディラン】

1941年5月24日アメリカ/ミネソタ生まれ。1962年デビュー。
約半世紀、多大なる影響を人々に与えつづけているシンガー。
グラミー、アカデミー、ピューリッツァーを受賞。ロックの殿堂入りも果たしている。
また詩人としてノーベル文学賞にノミネートされたこともある。





        ライブ情報        
[東京公演]
遊戯搾りまつり45
~ワンマンLIVE~
高田馬場「四谷天窓」
2019.09.15(sun)
13:30op/13:45st
2000yen+drink

祝!結成15年周年!
え?マジ?確認したら
「結成16年」だとさ。
1年遅れの記念LIVE!

(予約)
h72ogn@gmail.com



 
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since 2003.2.1-2008.
2ndミニアルバム「祭祭祭祭祭」 (GDM1002)発売中!

残り少なくなりました。再プレス予定はありません。お早めに!!

価格=¥1000(税込み)
レーベル=ジャイアント・ディスク・ミュージック
品番=GDM−1002

@アラビアの唄
A(叱咤激励)ドック・オブ・ベイ
B東京音頭
C帰り道
DDjembe急行

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タワレコ、HMV、ディスクユニオン、新星堂、アマゾン、などで発売決定!

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